「妊娠した・・・」
仕事から帰って妻に言われた一言。
2016年3月25日、この日は忘れられない日です。
それまで私たち夫婦は、約2年の間不妊治療、妊活をしてきた。
タイミング法に始まり、食事の改善をしたり、定期的に運動したり、人工授精したり、ご利益のある神社にお参りに行ったり・・・などなど、色々と取り組んできた。
タイミング法とは、妊娠しやすい最適な日時に性交渉を持つタイミングを、医師が指導することで妊娠を目指す方法です。(花小金井レディースクリニック(https://www.hanako-ladies.com/)より)
人工授精とは排卵の時期に合わせて、子宮の入り口から管を入れて精液を子宮内へ直接注入する方法です。(恵愛生殖医療医院(https://www.tenderlovingcare.jp/)より)
先日も人工授精を行ったが、今回で8回目。
先生からは「そろそろ次の段階(顕微授精)へ進みましょう・・・」と促されているところだった。
顕微授精とは、顕微鏡下で卵子に直接精子を注入して受精させ、奥様の子宮に受精卵を戻すという方法です。(銀座リプロ外科(https://ginzarepro.jp/)より)
不妊治療を開始したとき、妻はホルモンの数値が悪かったが、通院するうちに改善してきていた。
私も採取する精子の量にバラツキがあったが、特に問題があるという訳ではなかった。
それなのに人工授精を始めても全然結果がでない。
先生に聞いた話や、ネットで調べた感じだと、6回以上の人工授精はあまり意味がないらしい。
「妻の卵子と私の精子の相性が悪いのだろうか?」
妻と二人で悩んだこともあった。
回数を重ねるごとに、仕事を休まなければならない、お金もかかる、結果がでないことへの苛立ちが積み重なる。
夫婦仲も少しずつ悪くなる。
もちろん、ケンカばかりしている訳ではないが、以前よりもケンカの回数が増えているのは確かだ。
追い打ちを掛けるように、仕事もあまり上手くいかなくなってきた。
仕事のストレスが原因で言いたくないようなことを妻に言ってしまう・・・
またケンカが増える。
悪循環。
最悪だ・・・
この頃のケンカの原因は、ほとんど私。
だけど「ごめん」の一言が言えない。
ケンカが激しくなり「離婚」の二文字が頭をよぎることもあった。
どうせ子供がいないんだから離婚しても良いのではないか?
今度の不妊治療もうまくいかなかったらお互い爆発してしまわないだろうか・・・
「妊娠した・・・」
そんな中で言われた一言。
涙が止まらなかった。
玄関先で妻と抱き合った。
言葉も交わさず、ただただ抱き合った。
何分経っただろう?
時間なんかどうでも良かった。
不妊治療の結果が出ないことへの苛立ち、仕事がうまくいかないことによるストレス、すべてが吹っ飛んだ。
子供を授かるということは「一億分の一の奇跡」という人がいる。
今まさしく、その奇跡を経験している。
「妊娠した・・・」
妻の一言は、すごい力が宿っていた。(大げさかもしれないけど笑)
この時は全てがうまくいくと思っていたが、出産までには、まだまだ事件が続くのです・・・
続きは、後日公開します。
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