我々夫婦は妻のガンという予期せぬ試練に見舞われました。
妻は、ガンが発覚して3ヶ月半の入院後、自宅での看護のため退院。(以下、参考記事)
退院前は、主治医の先生や看護師さんから「子育てしながら、一人で奥様を介護するのは不可能」と言われていました。
当初は介護ヘルパー等のサービスを活用しようと考えていたが・・・
妻の闘病にあたり、お義父さんがお義母さんに「お世話してあげて欲しい」と言っていたこと
そして、お義母さんも仕事を辞めて、うちに来たいと言っていることから、介護ヘルパーは利用せず自分たちで妻の世話をする決意を固めました。
私たちにとっては未知の挑戦ですが、そこで生まれたのがケアノート。
妻の世話は、お義母さんと分担する必要があると考え、ケアノートがあれば、お互いがどのようなケアをしていて、何をする必要があるのか分かるかな?と思いエクセルでフォーマットを作りました。
具体的には次のようなものです。
- 体温、血圧、心拍、血中酸素濃度
- 何時にどのくらいご飯を食べたか
- 食後の薬、頓服薬は何時に飲んだか
- 除圧は何時にしたか、左右どちらに圧をかけているか
- 尿や便はどれくらい出たか、どんな状態か
- 清拭や着替えはいつしたか
- 訪問業者さんは何時ごろ来たか
- 車椅子には何時ごろ乗ったのか
- などなど・・・
これ一枚で一日の様子が分かるし、これを見ながら、下剤の量を調整したり、次の除圧の時間を決めたり、何時頃に買い物に行けるか、息子と遊んであげられるか・・・予定を立てていました。
また、訪問看護師さんがこれを見て妻の状態を把握してくれていたし、通院前に見返すことで主治医の先生に状況を報告したり、薬をお願いしたりすることに役立ちました。
毎日、新しいシートを印刷して、クリップボードに挟み誰でも見えるところに置いておいたが、肝心のお義母さんは全く見ることもなく、ケアノートに興味も示さず、話題に出そうともしなかった・・・
退院してから約1年3ヶ月、ファイル3冊くらいの分量になりました。
改めて見返してみると、「この頃は苦しかったんだろうな」「この頃は辛かったんだろうな」「あー、この日コロナのワクチン接種行ったな」「この日に薬変わったんだな」「散歩に行けたり、ドライブしたり、ダイニングテーブルで一緒にご飯食べたり、調子よくて良かったな」とか・・・
色々な想いが込み上げてきます。
写真で見ると、ただの紙切れなんですけど、
実際に見返すと、妻と共に過ごした日々、妻の苦悩と喜び、妻の強さと勇気を刻み込んだ貴重な思い出の品です。
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