#148 葬儀事件簿(その2)

雑記

前回の続きとなります。

 

当初、妻のご親戚が葬儀に参加したいとお話を頂いてました。

結局、日程が合わなかったようで葬儀には参加せず、葬儀前に自宅まで駆けつけてくれることになりました。

当日、私は玄関先でご親戚をお出迎え、ご挨拶して「お入りください」と案内しました。

 

ご親戚の皆さんが続々と家に入っていくと、お義母さんは妻の遺体のそばで我先に泣き始め、駆けつけてくれた親戚に慰めてもらっていました・・・

 

私以外は、妻と血のつながりのある親戚のみ。

なぜか自宅なのにアウェー感を感じてしまう。

客観的に見ると、まるで喪主はお義母さんです笑

 

お義母さんは闘病中の妻のことを親戚に説明していました。

妻のお世話をしていないから、妻の病状を良く分かっておらず、結構適当なことを言っている・・・

「そうじゃなくて、本当はこうだったんです。妻はこう言ってたんです。」と心の中で思っていました。

だけど言いませんでした。

その光景を見て私はちょっと冷めてしまい、ずっとキッチンの隅で一人で立っていました。

 

たまにご親戚の方がキッチンの方に来てくれて話はしたのですが、私はキッチンの隅から動けませんでした。

気分が落ち込んでいたせいか、あの輪に入る気分にはならなかった。

 

そして葬儀当日を迎えました。

セレモニーでは妻の棺にたくさんのお花を入れてあげて、妻がよく身に着けていたアクセサリーを入れてあげました。

息子は妻にプレゼントとお手紙を用意して、棺に入れてくれました。

 

これで最後のお別れです。

霊柩車で妻を送り出しました。

そして車で5分くらいの火葬場へ移動し、火葬が始まりました。

 

前回も書きましたが、まだ分骨問題が残っています。

 

あれ以来、お義母さんからは何も話はありませんでした。

諦めたのかな・・・

ちなみに分骨って役所に届け出が必要らしく、手続きの準備をしなければいけないそうです。

 

そんなことよりも、私に断りもなく話を進めるのはスジが通ってないので納得できません。

これは私のちっぽけなプライド、メンツの問題なのかもしれない。

お義母さんがこれまで献身的に妻の介護をしてくれたのなら「良いかな」とも思えますが、全くそうではない。

全くです。

 

妻の火葬が始まってから、待合室に移動、皆さんにお弁当と飲み物、お茶菓子などを配りました。

食事をしながら、火葬の終了を待ちます。

 

待っていると、葬儀担当者から話があると呼ばれました。

「先ほど、お義母様から『小さな骨壺とアクセサリーのカタログはどうなったのか?』と聞かれました」とのこと。

葬儀担当者も板挟みで困ってしまうだろうし、一緒に妻のご家族と話をすることにしました。

 

たぶん妻はずっと息子と居たいと思っているはず。

実際に妻は亡くなる前、「息子とずっと居たいから、お墓に入るのではなく、お骨を家に置いてもらえるのなら、その方が嬉しいな」と言っていました。

自分が生まれ育った実家であると言っても、分骨なんて望んでいないと思う。

しかも、アクセサリーにして身に着けるなんて言ったら「えーやめてよ、放っておいてよ」という性格です。

だから妻のご家族には「分骨したくない」旨を伝えました。

 

その場では、納得してもらえたように思えたが・・・

話が終わるとすぐに「散歩に行こう」と妻のご家族は一斉に外に出てしまいました。

 

私の言ったことが気に入らないのでしょう。

外で私の文句を言ってくれてもかまわない。

正直、何と思われようが、どうでもいい。

 

だけど、私はこれまでの妻の闘病中に積み重なったものや、妻が亡くなってからこれまでのこと、そして今回の分骨の件も含めて、今後お義母さんとは付き合いしたくないと思ってしまいました。

でも、今後何かあれば集まってもらわなければならない。

その度にストレスがかかるのなら・・・と、悩みましたが、最終的に妻のお骨を分骨することにしました。

 

妻は、息子と一緒に居たがっていたのに何て思うかな。

でも、私がこれ以上関わりたくないので仕方ないよね。

ごめんなさい。

 

妻が残したものは”息子のもの”でもある。

何より息子に申し訳ないな。

本当にごめんね。

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