#079 ママが立てるようになったら・・・

退院後中期
本記事は、こちらのマガジンからの一部抜粋です。
4月4日(月)

朝、妻の熱を測ると38.3度あった。

食欲もないのでアクエリアスを飲ませる。

「訪看さんが来るまで少し寝ててね」と言って休ませた。

 

今日は訪問看護師さんが帰った後、通院予定だったのだが・・・

「熱があるので通院は延期した方がいいか」を、訪問看護師さんが来た時に相談。

とりあえず訪問看護師さんが病院に問い合わせてくれた。

 

病院側の回答としては「発熱外来で受付して、コロナの検査をしてから、診察しましょう」とのこと。

訪問看護師さんが帰ってお昼頃になると、すごい汗が・・・

すぐに着替えたが汗が絞れるくらいの大量の汗だった。

熱は一気に36.0度まで下がり、妻もダルさが抜けてだいぶ楽になったようだ。

 

問題なく通院できそうだが、発熱があったので発熱外来の方から受付して、コロナの検査をした。

発熱外来の方で採血をして、レントゲンも撮影。

主治医の先生が発熱外来まで来てくれて診察を受けた。

 

コロナは陰性とのこと。

採血の結果、ローブレナ(がんの薬)の副作用で中性脂肪の値が増えてきたので、薬を出してもらうことになった。

発熱については、一昨日から「ご家族の方たちが集まったし、子供も何人か来ていたため、何かもらったんだろうね」とのことだ。

「尿路感染などの可能性もゼロではないので、念のため抗生物質と解熱剤も出しましょう」ということに。

私からは「お腹の腫瘍には、あまり薬が効いていない気がする」ことを伝えた。

 

先生は「もし、効果がないのならば、この次の治療は、点滴の抗がん剤治療になりますね。入院が必要になります。」とのこと。

だけど、前回1クールできなかったし(以下、参考記事)、抜け毛も食欲減退もひどかったので、これは難しい・・・

「お腹の放射線治療は制限があるのは理解してますけど、できる範囲でやってもらえませんか」とお願いした。

 

どうせ選択肢がないのなら、これ以上拡大してからやるよりも、今やってもらった方がいい。

先生の反応を見る限り、あまり前向きではないみたいだ。

だけど「放射線科の先生と相談してみますね」と言ってくれた。

 

あとは「免疫療法ができないか」も確認してみた。

退院前もお願いしたことはあったのだが(以下、参考記事)、

妻が慢性甲状腺炎であるため、免疫療法をやると、副作用のリスクが大きいので、その時は「やめた方が良い」と言われていたのだが・・・

今回の先生の回答は「慢性甲状腺炎については、これまで症状が出ていないし、今まで分子標的薬の副作用も出ていないため、免疫療法をやっても問題ないかもしれない」だった。

「だけど免疫療法は、効果が出る確率が1割くらいであるため、とりあえず今はやる必要はないのでは?」とのこと。

「点滴の抗がん剤は3割くらいの確率で効く可能性がある」

「治療するなら抗がん剤治療の方が良いだろう」と・・・

 

しかし、今の薬(ローブレナ)は、お腹以外の部分については効いている気がしている。

たぶん効いていないのは、お腹だけ。

だから、今の薬を続けながら、併用できる免疫療法と、放射線治療をしてほしいというのが私の気持ち。

お腹以外の腫瘍に効くか分からないし、副作用のリスクがありすぎる点滴の抗がん剤を選択するのは・・・んーって感じである。

まあ素人考えなので、私の考えがベストではないのだろうけど。

 

恐らく次の治療が「最後の治療」になると思っている。

だから、妻への負担が一番少ない方向でなんとかお願いしたい。

とりあえず「治療方針については来週以降にまた検討しましょう」ということで今日は終了。

 

コロナが陰性だったので、帰りは一般外来で会計して、病院内のコンビニでパンとスープを買って帰った。

帰りは妻と一緒に息子のお迎え。

今日も車のドアを開け、妻に気づくと息子は嬉しそうにニコニコ。

帰りの道中はママとマシンガントークしていた(笑)

 

妻は途中で会話に割り込まれると聞き役に回ってしまい、息子と話しをしなくなってしまうので

二人がゆっくり話せるように、私は二人の会話には割り込まないようにしている。

「今ママ立てないから、車椅子仕様車のノアじゃん。でもママが立てるようになったらノアじゃなくていいじゃん。」

「だからさ、ママが立てるようになったら、僕がランクルとアルファード買ってあげるね。」

 

「ママが立てるようになったら、僕が運転してあげるからドライブ行こうね。」

「ママが立てるようになったら、前行った温泉に泊まりに行こうね。」

「ママが立てるようになったら、またディズニーランド行こうね。」

「ママが立てるようになったら、公園で滑り台するところ見せてあげる。」

「ママが立てるようになったら・・・」

「ママが立てるようになったら・・・」

 

ママが病気になってから、ずっと我慢しているみたいだけど、

息子はそんな幸せな未来を想像して、色々考えているみたい。

 

でも、ママはこの先立てるようになることはないし、そんなに長く生きられないんだ・・・

こんなに楽しそうに喋る二人の姿を見ることができるのもあとわずかで・・・

二人に突き付けられた現実があまりにも残酷過ぎて・・・

 

私は運転しながら、自然と涙があふれてきてしまう。

可哀そうで、切なくて、さみしくて・・・

もう自分でもよく分からない感情、言葉なんかじゃ言い表せない色々なものが込み上げてきて。

後ろの二人に気づかれないように、必死に涙をこらえた。

 

妻の薬が効かなくなりはじめてから、「どうやったら妻と息子がふれあう時間をたくさん作ってあげられるか」毎日考えている。

最近は、妻と息子が一緒にYoutubeを観るようになったので、息子は妻の下半身に乗っかって、妻と話しながら観る時間が増えた。

いい傾向です。

もう少しコミュニケーションがとれるものは何かないかな・・・

 

 

 

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