#028 命の選択

入院中
3月27日(土)

今朝は妻の方からLINEがあった。

「昨日ほどではないけど、ちょっとダルい」とのことだ。

「食欲はないけど、サッパリしたい」

「セブンイレブンのレモンサイダーを買ってきてほしい」

・・・とリクエストがあった。

少し元気が出たのかな。

今日は面会に行けるかも。

 

あまり長時間の面会は妻も疲れてしまうだろうから。

午前中は息子を公園で遊ばせて、家でお昼を食べてから病院へ。

息子はとても疲れているようで、病院へ向かう途中で眠ってしまった・・・

だけど今日は抱っこしながら病室へ向かった。

もしかしたら妻のベッドで添い寝させてあげられるかもと思ったから。

妻の隣に寝かせると、少しして息子が起きてしまった・・・

まあ、少しだけでも隣で寝かせてあげられたからいいかな。

 

妻は、朝食は食べられずヨーグルトだけ食べたらしい。

薬は自力で飲めないし、あまり水分も取れていないので、点滴を続けている状態だった。

リクエストのあったレモンサイダーは少しだけ飲むことができた。

だけど、2,3口程度。

息子が寝ぼけながらおやつを食べ始めたタイミングで、先生から「話をしたい」と呼び出された。

息子は看護師さんが遊ばせてくれるとのこと。

 

先生と二人で診察室へ向かった。

先生からは「奥様は昨日から左の顔が麻痺していて、しゃべりにくく、ろれつが回っていないような感じです」と言われた。

確かにそんな印象は受けたし、これは妻も自覚していて、そう言っていた。

先生的には、脳への転移が気になっているようだ。

今日も「MRIをとれないか」妻に確認したが、拒否されてしまったため、MRIはあきらめたらしい。

どうも妻はMRIがトラウマらしく、撮らせてもらえないらしい。

CTじゃダメなのかな?・・・

「そこで、この週末の間に、もし脳の問題によって呼吸や心臓が止まった場合、無理にでも延命措置をするか」の確認をされた。

「現段階では、可能性は非常に低いと思うけれども」とのことだ。

 

しばらく考えたが・・・私は「延命措置を希望しない」旨を伝えた。

きっとその状況での延命措置は、”回復の可能性がない中での延命措置”となるため、ただただ本人を苦しめるだけと考えたから。

ただし「妻がちゃんとすべてを把握した状態で、最終判断をしたいので、来週タイミングがあれば、妻に全てを話したい」と先生に伝えた。

予定では明後日の月曜日が抗がん剤の点滴をする日であった。

だけど、今の状況では抗がん剤治療はできない。

なので、月曜日に治療中断の報告を妻に行い、併せて「現在の病状の進行と今後について」を先生の方から妻に話してもらえることになった。

私は「その際には、私も同席させてほしい」とお願いした。

あとは「そのあと、二人で話す時間が欲しい」と。

 

先生との話を終えて病室に戻ると、息子の機嫌がとても悪くなっていた。

これ以上病室にいるのは難しそうだし、妻の負担も考えて早く帰ることに・・・

帰りに近くの公園では桜が咲き始めており、息子と公園で散歩をして帰った。

妻にも桜を見せてあげたいな。

チャンスはあるだろうか・・・

 

家に帰ってから、妻に「ビデオ通話するか」確認したが、「今日はいい」と断られた。

とてもつらいみたいだ・・・

夕食は「パイナップルを二切れと、ご飯を二口くらい夜ご飯に食べた」とメッセージがあった。

「顔が麻痺していて食べづらい」とのことだ。

顔の麻痺って脳から来ているものなのかな?

とても気になる。

先生は「前日に筋肉のなんたらの点滴をしたのでその影響だと思う」とのことだったが・・・

今日は余裕がなく、先生にちゃんと聞き返すことができなかった。

今日はビデオ通話できないので、寝る前に息子のボイスメッセージを送ってあげた。

明日は少し回復してくれたらいいな。

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