今日も、いつものように息子の朝のルーティーン画像を送る。
妻からはすぐに返信があり、色々とやり取りしていた。
しばらくすると、また妻からの連絡が途絶えた・・・
お昼頃、スマホに着信。
今日は、看護師さんからの電話だった。
看護師さんによると「奥様は朝からかなりつらいようで、しゃべることもままならない状況です」とのことだ。
「朝から薬も飲めず、水分もとれてなくて、点滴をしています」
「だから、今日の面会は難しいです」とのことだった。
ちなみに今日は午後4時から、主治医の先生に病状報告を受ける予定になっている。
「今日は先生とお話する予定があるので、そちらに伺おうと思ってます。」と私が言うと。
「それなら夕方、病院に来られた時の回復具合で、今日の面会について決めましょう」ということになった。
先生の話を聞くため、4時に病院に向かう。
診察室で話を聞くと、先生が言うには
「ここ数日は胃がムカムカしていると奥様から報告を受けています。」とのこと。
「点滴もしていますが、抗がん剤の副作用ではなさそうで、原因がハッキリしない」とのことだった。
また、最近撮ったCT画像を見せてもらった。
「ここ1ヵ月で肺の中だけでも複数の転移がみられる」
「そのうち一つは約2センチにもおよぶ大きさ」
「驚くほどのスピードで転移が進み、腫瘍が大きくなっている」
と説明された。
私は入院直後にも肺の画像を見せてもらっていた。
その時の記憶では、肺には大きな腫瘍が一つしか見えなかった。
今日、実際にCT画像を見てみて「こんなにも増えたのか・・・・」というくらい腫瘍のようなものが増えている。
パッと見で数えることができない。
さらに肺以外にも胸やお腹の内側にも複数新たな転移が見られた。
「これだけ転移が進んでいると、脳への転移も可能性として考えられます。」
「そうだとすると原因不明の体調不良も納得できる」とのことだ。
「ただし、今MRIを撮るのは本人が『ムリっ』と言っているので確認のしようがない」らしい。
よって「このままでは、三週目の抗がん剤治療は無理だろう」とのこと。
さらには「体調が回復したタイミングで、今の病状、状況など、これまで言っていなかったことを正確に伝えるべきだ」と言われた。
先生も「奥様が何も知らずに最期を迎えるのは可哀そう」だと・・・
その件については、もともと私から伝えようと思っていたので、問題はないと考えている。
だけど、今は体調が悪く、私から切りだせる状況ではない気がする。
先生は、月曜日にこれまでの抗がん剤治療の結果、現状では次の抗がん剤治療はできないことを妻に説明するらしい。
先生と相談して、その時に先生の方から話してもらうことになった。
また「最悪のケースとして、もし脳への転移がある場合は、いつ呼吸ができなくなるか、心臓が動かなくなるかわからない」
「その時は人工的な延命措置を取るのか、楽にさせてあげるのか、ご家族で決断してほしい」とのことだ。
「奥様の体調を考えたら、そこまでの話をするのは厳しいだろうから、ご主人に判断してもらいたい」と・・・
先生との話が終わってから、洗濯物などの荷物だけ置いて行こうと病室に寄っていった。
妻は、ぐったりとしていた。
「無理に喋らなくていいから楽にしてて」と声をかけると、目を開けて、うなずくのが精一杯だった。
隣に座ってしばらく手を握った。
息子を迎えに行く時間になったため「何も考えないで、ゆっくり身体を休めてね」と言って部屋を後にした。
息子を迎えに行ったが、今日は何もやる気がおきない。
息子が「公園で遊びたい」というので暗くなるまで公園で遊ばせた。
その後はラーメンを食べに行って帰宅。
息子に「ごめんね、今日お風呂なしでもいい?」と聞くと
息子は「いいよ」と言ってくれたので、そのままパジャマに着替えて、ゴロゴロしながらテレビを見た。
何かを察したのか、息子は「お部屋でピクニックしよう!」と言い出した。
座布団やクッション、ひざ掛けなどを床に敷いて、そこで犬にご飯をあげてたり、私を元気づけようとしているようだった。
息子の食事の様子や、家での様子を写真や動画に撮って妻に送っているが、相変わらず返信はない。
既読にはなっているので見ているんだろうけど・・・
見るのもツラいのかな?と考えるとLINEを送るのもためらってしまう。
明日体調が良くなればいいけど、良くならないかもと考えると・・・明日が来るのが怖くて不安だ。
こんなに不安なのは生まれて初めてかもしれない。
コメント