#030 緊急事態

入院中
3月30日(火)

今日は、夜中から妻と連絡を取っていた。

今日は返信が早い。

最近はメッセージが来ないことも多かったので、私も寝ずに妻の返信を待った。

「今日も調子が悪い」とのことだ。

「熱が39度、40度くらいあり、とてもだるい」らしい。

「今日は身体がつらいから面会は無理かもしれない」とのことだった。

「少なくとも今は気持ち悪くてヤバい」という。

「なんでこんな目に合わなくちゃいけないんだ・・・」と弱気な発言もあった。

基本的にあまりネガティブな発言はしない人なので、こんな言い方するなんて珍しい。

本当につらいんだろうな・・・

とりあえず「こちらのことは気にしなくて良いから、身体をゆっくり休めるように」と伝えて、今日の面会はあきらめた。

 

午後になってから電話が鳴る。

病院からだ・・・

ここ最近、病院から電話が来るたびに心臓がドキドキする。

病院からの電話で良い話なんて一度もないから。

正直出たくないし「逃げたい」と思ってしまう。

だけど、そんなわけにもいかないので電話に出る。

看護師さんから「今日は面会に来られますか?」と言われた。

妻から「今日はムリ」と聞いていたので「今日は行かない予定です」と伝えると。

看護師さん曰く「今日はかなり息苦しくて酸素の量を増やしている」とのこと。

「口ではうまく説明できないが、会話できるうちに何か話したいことがあったら、話しておいた方が良いと思って連絡した」とのことだった。

さらに「日曜日に奥様のご家族が来ることは聞いています、もし可能なら今日、明日にでも来てもらった方が良いかもしれない」と・・・

看護師さんがそこまで言うなら、相当ヤバい事態なのだろう。

 

すぐに幼稚園に連絡して息子を迎えに行った。

妻の実家へも連絡した。

「日曜日ではなく、今日、明日にでも来れそうなら面会に来てもらえないか」と伝えた。

すると、夜7時か8時には着くように家を出てくれることになった。

 

病院に着くと、妻はぐったりしていた。

今までにないくらいに息苦しそうだ。

「どうしたの?・・・今日は・・・大丈夫だよ」と、頑張って声を絞り出している。

「何もしゃべらなくていいから、こっちのことは気にしないで」と言って椅子に座った。

息子にはスマホでYoutubeを見せて、あまり病室内で動かないようにさせた。

「もういいよ・・・、今日は・・・大丈夫だよ」と妻が言う。

相当苦しいのか、息子がいると落ち着かないのか、妻は私たちを帰そうとする。

「日曜日の・・・家族の面会の件・・・看護師さんに・・・言っておいてね」

こんな状況でも自分のことよりも家族の心配をしていた。

「家族は今夜こちらに来るよ」と妻に伝えた。

「みんな今日と明日仕事が休みで、日曜日より今日のうちに来る方が都合がいいんだって」と嘘をついた。

部屋をでて、看護師さんにも「実家からご家族が来る」ことを伝えて、面会をお願いした。

「ご家族の面会中は、私が病院の外で姉と妹の子供たちをみているから」と言うと。

看護師さんがスタッフの研修室を開けてくれて、「ここで子供たちを待機させていいですよ」と準備してくれた。

 

夜になり、妻の家族が病院へ到着したので、研修室へ案内。

一気に面会すると疲れてしまうので、2人ずつの面会となった。

面会後、それぞれショックを受けているようだった。

毎日面会しているわけではないし、想像以上にひどい状態だったのだろう。

ショックだよな。

血のつながった家族がこんなに苦しんでいるんだから。

今日は夜遅いこともあり、妻のご家族には、我が家に宿泊してもらうことにした。

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