#002 がんの疑いあり

入院前
1月27日(水)

今日、妻が病院の先生から「癌の疑いがあります」と説明をうけた。

頭の中が混乱している。

今まで40年以上生きてきて、日記なんて書いたことはない。

だけど、「息子のために記録しなければ」と思い、何が何だかわからないままに日記を書いている。

年末からの異変

妻は、年末から腰の痛みを訴えていた。

妻が言うには「恐らくぎっくり腰であろう」とのこと。

だけど、一週間くらい経っても全然回復する気配はなかった。

年明けの1月5日に整形外科にかかった。

先生が言うには「背骨の骨と骨の間隔が狭いところがあり、ヘルニアみたいに神経にあたっているのではないか」とのことだ。

とりあえず痛み止めを処方してもらった。

歩くのもしんどい状況であったが、痛み止めのおかげで、翌日から少しは動けるようになった。

妊活と慢性甲状腺炎

去年の10月からは2人目の妊活のため、不妊治療を始めていた。

かかりつけの病院でリプロダクションセンターに通って、検査をしたり、お薬をもらったり。

11月には甲状腺ホルモンの数値が高いことから、ホルモンの薬を飲み始めたところだった。

1月5日の整形外科受診後、1月8日にもリプロダクションセンターを受診した。

この時「慢性甲状腺炎である」と診断された。

だけど「妊活については問題ないので、人工授精から始めよう」ということになっていた。

痛みは治まらず

1月5日の整形外科受診から1週間以上が経過。

痛みは全然治まらない・・・

痛みに加えて、足のしびれや突っ張り感も出始める。

1月15日に再度整形外科を受診した。

だけど「原因は分からない」とのことだ。

この日は、日本赤十字病院(以下、日赤)への紹介状を書いてもらうことになった。

ただし、予約は2月に入ってからとのこと。

 

この頃から、妻は動き回るのが困難になり始める。

なので、買い物には私が一緒に付き添い、息子の幼稚園の送迎も私が一緒に行っていた。

週末になると、妻が動けないので、私一人で息子を連れて遊びに出かけたりしていた。

 

こんな状態で2月までどうやって痛みに耐えながら生活すれば良いのだろう。

とても不安を感じていた。

MRI検査をする

1月20日になると、便を出すために、ドラッグストアで下剤を買ったり、浣腸を買ったりして使い始めた。

この時点で1週間以上も便が出ていない。

妻は「お腹が張って苦しい」と言っている。

また「腰の痛みはどんどん増しているし、尿も出にくい感じがする」と言っていた。

 

さらに何日かすると、より尿が出にくくなった。

1月25日、すぐに日赤へ電話して「予約前だけど緊急で診てもらえないか」とお願いした。

すぐに診てもらえることになり、MRIを撮ってもらう。

MRIの結果は「ヘルニアではない」とのこと。

骨盤に腫瘍があって、この腫瘍が神経を圧迫し、尿や便が出にくくなっているのだろう」とのことだ。

「現時点では悪性とは言えない。」

「この腫瘍がなくなれば良くなるかもしれない。」

「だけど、良くならずにそのままの場合も考えられる」と説明を受けた。

この時点では、説明もあいまいなため状況が理解できていなかった。

そして、1月27日にCTで詳細な検査することになった。

尿が出なくなる

翌日の1月26日には、尿が全く出なくなった。

便も2週間出ていない。

腰の痛みに加えて、お腹のハリもどんどん強くなっている。

かなり苦しいみたいだ。

すぐに近くの診療所に電話で相談した。

一時的に尿道カテーテルで尿を出してもらい、摘便をしてもらった。

※尿道カテーテルとは、尿道から膀胱へ挿入するチューブ。図のような感じで尿を出します。

画像は看護roo!様より(https://www.kango-roo.com/)

※摘便とは、指を肛門から入れて、直接直腸から便を排出させるケアのことです。

画像は看護roo!様より(https://www.kango-roo.com/)

CT検査をする

そして今日、1月27日に日赤で採血をして、CTを撮った。

検査の結果、「炎症反応がみられるので腫瘍が活発化しているのだろう」とのことだ。

CT画像などと併せて考えると、「子宮体がんで、これが最初に発生した原発であり、それが肺や骨盤に転移しているのではないか」という結論だった。

「特に骨盤の腫瘍は、骨を砕くほど拡大していて、ここが痛みや神経の圧迫の原因になっているのではないか」とのこと。

最近、便や尿がうまく出せないのは、神経の圧迫によるものであるとのことだ。

妻は、現在不妊治療をしているリプロダクションセンターがある病院で、何年か前に子宮頸がんの手術をしている。

この病院では、定期的に術後の経過観察しており、健康診断なども行っている。

日赤の先生は、「これまで経過を見ていて情報もあるだろうし、そちらの病院で治療を始めた方が良いだろう」と、紹介状を書いてくれた。

1月29日に外来の予約を入れてもらった。

 

妻も私も、何が何だか分からなくなり、頭の中は真っ白だった。

ただ腰が痛かっただけなのに、「子宮がん」と言われ、「肺に転移している」と・・・

今は何を考えればよいのかもわからないし、これから何をしたら良いのかも分からない。

病院内のカフェで二人でコーヒーを飲んだ。

とにかく何も考えることができないので、二人とも黙ったまま、ボーっとしていた。

少し落ち着いてから自宅に帰った。

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