#142 パパごめん

 

日に日にダルさというか、気持ち悪さというか・・・とにかくひどくなっている。

朝一で少し除圧して、右脚に入れているクッションを左脚に入れ替えてから、舌下の鈍痛薬アブストラルを飲んでもらった。

 

今朝も食欲はない。

だけど、何か口に入れられないかと思い「クラッシュアイスでも口に入れる？」と聞いてみた。

妻が「ちょっと食べてみたい」というので、クラッシュアイスを用意した。

100均で売っている1cm角くらいの製氷皿で作った氷です。

妻が入院中に、子供がジュース飲むのに喜ぶかと思い、なんとなく100均で製氷皿を買ったのですが・・・買っておいて正解でした。

妻は、コップ3分の1くらいボリボリ氷を食べました。

口の中がサッパリするし、気持ち悪さや苦しさが少しまぎれるのかもしれない。

 

朝やることを一通り終え、掃除機をかけてから、お義母さんが起きてきくるのを待って、息子と一緒に犬の散歩をした。

犬も最近は全然お散歩できていなくて可哀そう。

だけど、状況が状況だけに我慢してもらっています。

 

散歩中、自販機で息子にミルクティーを買ってあげた。

息子が家に帰ってミルクティーを飲んでいると、妻が「飲みたい」と言って一口だけ飲んだ。

 

アブストラルを飲んだせいか、苦しさが緩和されている感じで、少し目を開けて会話ができている。

 

今日も二人体制で訪問看護師さんが来てくれたが、着替えは無理みたいだ。

看護師さんがケアをするたびに、妻の身体が揺れる。

すると妻は「う゛う、ぎもち悪い・・・」「ぎもち悪い・・・」と苦しそうにする。

 

私は枕元から妻の背中や肩をさすって「大丈夫だよ。そばにいるよ」と声をかけてあげた。

訪問看護師さんが言うには、私がそうしてあげた方が、妻の表情が和らぐので、そうしてもらった方が良いとのことだ。

 

今日は、軽く陰部洗浄して、ズボンだけ交換した。

最後に、吐き気止めの注射をしてもらった。

 

訪問看護師さんが帰って少しすると妻の苦しさが落ち着いてきたみたいだ。

吐き気止めの注射が効いてきたのかな・・・ほんの少しだとは思うけど。

 

お昼は卵サンドを作った。

妻は、やはり食べられず。

お昼の代わりにクラッシュアイスをかじって、無糖レモンソーダを飲んだ。

 

午後になると、妻はまた気持ち悪さが出てきたみたい。

今日は吐き気止めの注射やアブストラルという鈍痛薬を服用しても、１，２時間すると、苦しそうな顔をする。

なんとなく昨日よりも薬が効かなくなっている印象を受ける。

どんどん悪化しているのかもしれない。

 

妻に「アブストラルを飲もう」と言うが、拒否された。

「余計に気持ち悪くなる気がする」みたいなことを言っていて、飲みたくないみたいだ。

 

ただ、気持ち悪すぎて意識が朦朧としているのか、ハッキリ喋れていないので、何とも言えない状況。

ゆっくり話をしながら、「飲んでみよう」と説得して飲んでもらった。

少しすると薬が効いてきたようで少し眠れたみたい。

 

妻が寝て少し経つと、妻の友達が来てくれた。

たまに、お手紙を書いてくれたりして、一番心配してくれていた友達だ。

以前に「お見舞いに来たい」と言ってくれていたのだが、妻が断ってしまっていて・・・（以下、参考記事）

友達からは「来たい」と言いだせない感じになっていたのだが・・・

妻のお姉さんから友達が「来たいと言っている」という話を聞いたので、「ぜひ来てほしい」とお願いしたら来てくれました。

 

今日は、ご家族のお見舞いやら、友達のお見舞いやらで、妻も疲れたかな。

 

夜息子が寝た後、10時くらいになると妻は気持ち悪くてうなされはじめる。

「ん゛―」「あ゛―」「はぁー」「ぐるしいー」といった感じで声を上げている。

 

肩をさすってあげたり、手を握ってあげたりしながら、励ますが・・・

こんなことをしたって、妻の気持ち悪さは良くならないと思うと、もうどうしたら良いのかわからない・・・

とりあえず鈍痛薬のアブストラルを飲んでもらう。

 

少しすると、落ち着いたようで、クラッシュアイスをいくつかかじって、背上げしてオロナミンCを二口だけ飲んだ。

飲んだ後は、少し寝に入った。

 

夜12時頃になると、また気持ち悪くてうなされはじめる。

アブストラルを飲んでもらって少しすると「リンゴジュースが飲みたい」と妻が言った。

紙パックのリンゴジュースを渡したが、もうストローで飲む力もないようです。

仕方ないのでコップに移し替えて飲んでもらった。

 

アブストラルは、薬を飲んだ後も、30分から40分位は苦しさが続くみたいだ。

その後は、少し落ち着くのか、寝ているのか、目をつむっている感じ。

 

1時位に「パパごめん、少し氷食べたい」と言って、むくっと起きてクラッシュアイスを少し食べた。

 

2時位には「パパごめん、気持ち悪い、冷たいお水が飲みたい」と言ったので用意すると、むくっと起きてキンキンのお水を少し飲んだ。

 

2時半頃、再び気持ち悪さがピークになって、うなされはじめる。

アブストラルを飲んでもらって、3時過ぎには落ち着いて、少し寝に入った。

 

朝5時位に再び気持ち悪さがピークに達したらしく、うなされはじめる。

「パパごめんね、起こしちゃって・・・」と私の心配をする。

いいんだよ、俺の心配なんかしなくても。

 

「健康な俺の心配なんかしないで、いくらでも甘えて良いし、当たり散らしてもいいんだよ」って言っても・・・

妻は「うん」って返すだけ・・・そもそも、そんなコミュニケーションとれないほど苦しんだよね。

 

「アブストラルを飲む？」と聞くが、「飲んだ後苦しくなるから、飲みたくない」と言って「我慢する」と・・・

朝6時過ぎになると、顔つきが和らいだ感じがするので声をかける。

妻は「まだ苦しい」と言う。

 

この苦しみはもう消えることはないんだろうな・・・

 

さらに、なんとなく妻が息苦しそうに見えた。

息遣いが気になったので血中酸素濃度を測ろうとする。

すると、もうパルスオキシメーターが反応しない・・・

指先は、かなり冷たくなっている。

血流そのものが悪くなっているんだろう。

 

妻が苦しむたびに、私が起きて「大丈夫？何か飲む？」って声をかけているが。

そのたびに妻は「パパごめんね」と言う・・・

ごめんねなんて要らないよ、なんとかしてあげたいんだよ。

でも、何もしてあげられない、全然楽にしてあげられない。

もう早く楽にしてあげたい・・・

本当に楽にしてあげたい・・・