#021 抗がん剤治療前に祈祷に行く

入院中
3月14日(日)

今日は、祈祷の予約をしていたので、息子と二人で日光の大室たかお神社へ。

厄除 方位除 病気平癒|栃木県日光市 大室たかお神社
大室たかお神社は、日光市大室字大山の中腹に鎮座し、厄除、病気平癒、心願成就の社として多くの参拝者が訪れる神社です

車で約2時間、なんとか行ける範囲で良かった。

ここは、病気とか、ガンとかに御利益があると有名らしいです。

病気平癒の祈祷をお願いをするため、事前に予約をしておいたのです。

本来は、妻が現地に行って祈祷してもらうべきなのですが、当然行けるわけもないので。

妻が普段身に着けていたお気に入りの洋服や、下着などを持参して祈祷してもらった。

 

息子も一緒に建物の中に入り、祈祷を受ける。

祈祷中は、椅子に座って静かに頭を下げたり、目をつぶったりする場面が多い。

息子は、横目でチラ見しながら、私の真似をして頭を下げて、おしゃべりもせず、遊んだりせずに、しっかりと祈祷を受けていた。

まだ4歳なのに偉い子だな(笑)

祈祷が終わった後は、身体の絵が描いてある紙を渡される。

身体の悪い所に〇印をつけて、水で洗い流す儀式を行うとのこと。

覚えているかぎりの腫瘍の転移箇所に〇をつけた。

終わった後は、息子と一緒に紙に水をかけて、全てを洗い流した。

水で流すと、紙は溶けて無くなっていく・・・身体の絵と、ガンに付けた○印も一緒に無くなっていく・・・

どうが御利益がありますように・・・。

 

帰りには花屋さんへ立ち寄った。

今日はホワイトデーなので、息子が「何かプレゼント買いたい!」と。

妻は自分でお手入れできないけど、病室に飾れるものが良いので、テーブルに置ける小さなプリザーブドフラワーを買った。

息子が「これがいい!」と言って決めたもの。

病院に持って行き、妻にプレゼントしてあげた。

妻が「ありがとう」と言って、息子をぎゅーっと抱きしめて、ほっぺにチュー。

妻も息子も嬉しそうだった。

 

今日は息子が髪の毛をとかしてあげた。

妻は、寝返りも打てず、仰向けで寝たきりのため、髪の毛がボサボサになっている。

いつも私が面会時に髪の毛をとかしてあげているのだが・・・。

今日は息子が「やりたいやりたい」と言いだした。

ベッドに乗って、ニコニコと満面の笑みで げらっげら 笑いながら髪をとかしていた。

年明けからあまり触れ合えていなかった二人だけど、今年一番二人が幸せな瞬間なんじゃないかなと思った。

こういう時間を一分でも一秒でも長く作ってあげたいな。

 

今日は、帰りにゴネられると大変なので、息子が飽きて「帰りたい」と言い出したタイミングで帰ることにした。

だけど、今日もエレベーターを降りたところで、「ママに会いたい」と寝転んで、足をバタバタし始める。

日に日にゴネかたが変化する(笑)

一旦、息子を抱きかかえてから病院の外にでるが「まだ車に乗りたくない」という。

病院の外のベンチに二人で座って、ぼーっとした。

何か話すわけでもなく、二人でただ星を眺めながら、ホットココアを飲んで・・・

30分くらいすると、息子が「寒いから帰ろう・・・」と言い出したので帰ることに。

 

家に帰ってから妻と「ビデオ通話しよう」と連絡するが、出てもらえなかった。

しばらくすると「今日は話せない」と返信が来た。

今日もお腹が痛くてつらいようだ。

ちなみに今週から持続皮下注射を使い始めた。

持続皮下注射とは、注入器に入った微量の薬剤(医療用麻薬)を持続的に皮下に注入する投与法のことで、プラスチックの針を患者の胸部などの皮下に留置、固定する。 これによって、医療用麻薬を安全に、効果的に投与することができる。(時事メディカル「在宅でも可能な疼痛コントロール~侵襲少なく安全な持続皮下注射~」(https://medical.jiji.com/column4/149))

定期的に医療麻薬が入るし、痛くなったらボタンを押すと自分のタイミングで痛み止めを注入できるというものだ。

日に日にボタンを押す頻度も、1回の注入量も増えているらしい。

 

最近、夜になると毎日考えてしまう。

日々弱っていく身体、増えていく痛み。

腰の痛みは減ったらしいが、眠れないほどの痛みを抱えながら、妻は1か月以上も生活している。

苦しんでいるのは妻。

妻に余命やステージ、足が治らないことなど、本当のことを伝えずに抗がん剤治療を始めていいのだろうか?

まだ、普通にしゃべれるし、笑えるし、息子にも会いたいだろう。

残された時間がわかれば、息子に何か残してあげたいと思うかもしれない。

真実を聞いたらショックを受けるかもしれない。

だけど真実を知らせないのも残酷なんじゃないかと・・・

夜になると、こんなことばかり考えてしまう。

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